『反日メディアの正体 「戦時体制(ガラパゴス)」に残る病理』の簡素な感想

肯定的な評価をするなら、古谷氏がこれまで展開してきたアンチ・マスメディア論に的を絞った集大成的な著書であり、否定的な評価をするなら過去に書いた記事を再構成しただけの手抜き本。

例えば、第二章の『韓流でみえた「反日メディア」の病理』第三章の『テレビ局は巨大企業ではない』なんかは「テレビ・韓流・ステマした」で述べている事を修辞を変えて多少の付け加えをしているだけだし、『「イプシロンロケット」打ち上げ成功を打ち消す無自覚の悪意』は「ネット右翼の逆襲」の一節『「はやぶさ」帰還騒動と自滅するメディア』と多分に重なるところがある。
『インターネットは「恐竜」(マスメディア)を駆逐するか』と、既存のメディアを恐竜に準える論調は「フジテレビデモに行ってみた!」から全く変わらないし、NHKの大河ドラマ平清盛」に於ける王家呼称問題を反日的と批判するに至っては呆れるより他無い。



古谷氏の過去の著作「竹島に行ってみた!」は実際に竹島渡航した体験談を綴ったものであり、一箇の見聞録としても読めた。

ネット右翼の逆襲」のネトウヨアンケートは調査方法その他に瑕疵が無いわけではないが、ネット右翼千人にアンケートを採るという、今まで誰もやらなかった試みに挑んだ姿勢は評価されて良いと思う。

「フジテレビデモに行ってみた」は、フジテレビデモに参加した著者自身の視点で描かれた国旗損壊事件の顛末に価値を見出すことが出来るかもしれない。違法行為を犯す人間が内面でどのように反社会行為を正当化し、国旗引き摺り下ろしなどというホシュを自称する者にあるまじき大醜態をやらかした経緯が丁寧な筆致で綴られている。


モノの大小はあれど、古谷氏は本を書くにあたっては労を厭わず、それなりに汗を流していた。少なくとも近著「ネット右翼の逆襲」まではその痕跡が見受けられた。

一転、「反日メディアの正体」では自身が過去に書いた記事の焼き直しが大半を占めているし、何より「既存メディアに反日のレッテルを貼って腐す」という右翼論壇では手垢がつきにつきまくった手法など新鮮味が微塵も無い。
ネトウヨやフジデモという、隙間産業宜しくニッチなテーマを扱っていた頃の古谷ツネヒラに比べると個性が薄れた感は否めない。


或る学問を血の滲む思いで修めたわけでもなく、社会経験の浅い人物(これは古谷氏に限った事では無いが)でも充分に論客が務まる保守論壇、及び市場の肥沃さを個人的に確認させる一冊であったと思う。極めて個人的な意見として。







因みに、韓流云々の下りではフジテレビデモについても触れられてはいるが、矢張りというか古谷氏がやらかしちゃった国旗引き摺り下ろしの愚行に関しては一切の言及無し。「反日メディアの正体」でマスコミ関係者の犯罪行為をようようと糾弾する古谷氏だが、自分がしでかした違法行為は反省どころか言及も無し。

保守を気取りながら日の丸を力ずくで引き摺り降ろす人間のほうが、よっぽど反日的だと思うけれどもなあ・・・。

ピースとハイライト アンチレビュー

歌詞がもろに「韓国と仲良くしようぜ!」な内容な為、ネット右翼嫌韓主義者がキイキイ言ってるサザンオールスターズの新曲「ピースとハイライト」。
今やすっかりネトウヨの遊び場と化し、レビューサイトとして活用するには利用者のリテラシーが必須となったアマゾン。
そのアマゾンに寄せられた「ピースとハイライト」レビューを主観と独断と偏見に基いて拾ってみました。


12 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 歌詞が、、, 2013/8/12
By ichigan - レビューをすべて見るレビュー対象商品: ピースとハイライト(通常盤) (CD)
駄作すぎます。なんですかこの歌詞は、、聞いていられません。残念。

シンプル且つ「ピースとハイライト」アンチに共通する歌詞批判。
まあ、メッセージ性の強い歌ではあるし、聞く者の賛否は当然あっていい。
流石にこの程度ではネトウヨ認定はせんよ。












4 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 もう、うんざり, 2013/8/13
By わかば - レビューをすべて見るレビュー対象商品: ピースとハイライト(通常盤) (CD)
昔から何も変わっていない。

昔どこかで聞いたような曲だ。

歌詞はうんざりするもの。

何もせず、ただただのうのうと愛と平和を無責任に歌い、
国民が意志と希望を込めてのぞんだ、正当な選挙で選ばれた政治家たちを、ただただ批判する。
何の考えもなく、自分たちが次のジョンレノンになりたいがために、政治の邪魔をし目立とうとする。
そんなくだらない姿勢が透けて見える。
サザンの皆さんはよいだろう。
だって彼等はお金持ちだから。いくら資産があるんでしょうね?
日本がどうなろうが、お金がありますものね。

もう、やめよう。
こんなくだらない音楽を聴いていては、先がない。


「ただただのうのうと愛と平和を無責任に歌い」と言うけれど、アーティストのラブ&ピースなんて今更珍しくもない。で、この人には「ピースとハイライト」が「正当な選挙で選ばれた政治家たちを、ただただ批判」し、「政治の邪魔をし目立とうとする」歌に聞こえるらしい。選挙は白紙委任ではないのだから有権者が選挙に受かった政治家を監視し、時に批判するのは当然の権利だし「政治の邪魔」に至っては意味が分からん。
この人の「政治家」が具体的に誰を指すのかは不明だが、仮に安倍首相を指すとしたらサザンは邪魔とは正反対の事をしているよ。だって安倍首相は歴代自民党首相の中でも屈指の親韓派だもん。ついでに統一教会とも昵懇だし。





11 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 しばき隊との密接な関係性, 2013/8/12
By あいうえお (地球) - レビューをすべて見るレビュー対象商品: ピースとハイライト(通常盤) (CD)
ライブでこの曲を演奏中に、しばき隊の映像を流したそうです。
しばき隊の有田芳生民主党)もツイッターなどでサザンの宣伝をしまくっています。
言うまでも無くマスコミは異常なまでにこいつらを特集しています。

恐ろしい時代になったものです。

アーティストが特定の個人や団体と「密接な関係性」を有する事の何が悪いのだろう。
これがしばき隊ではなく在特会と密接な関係を持ったとしたら問題だ。
「お隣の国」と仲良くしようと主張するサザンが我が国に於ける排外主義団体の筆頭格たる在特会とつるんだら「言ってる事とやってる事が違うじゃねーか!」となるけれど、「仲良くしようぜ!」のしばき隊なら何の矛盾もない。
「マスコミは異常なまでにこいつらを特集」と言うけれど、そりゃサザンが大物中の大物で、知名度が高く、ファンも多い日本を代表するアーティストだからだろう。況してや「ピースとハイライト」が5年ぶりの新曲とあれば尚更マスコミの注目は高まるに決まっているのだが、非常識のフィルターを通すと「恐ろしい時代」になるらしい。
事実誤認と世間知の無さが本来ありもしない陰謀論を招きよせ、見えない敵と必死に戦う。とりあえず頑張ってください。


上記の同氏は「ピースとハイライト (完全生産限定“胸熱35"カートンBOX)」にも星一つのレビューをつけているのだが、これが先のレビューに輪をかけて酷い。

左翼メッセージが込められた政治的楽曲, 2013/8/11
レビュー対象商品: ピースとハイライト (完全生産限定“胸熱35"カートンBOX) (CD)
他にもこの歌手は、「Love Korea」という朝鮮への愛を込めた歌も作っています。
いろいろ酷いです。
しかもライブでこの曲の演奏時、しばき隊の映像を流したそうです。
しばき隊というのは「レイシストしばき隊」といって、
朝鮮人のことを嫌っている人々をしばく(=暴力を振るう)ことを目的とした組織です。
自作自演で「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」というプラカードを掲げ、
あたかも日本人が朝鮮人を差別しているかのように捏造して被害者を装っている連中です。
韓国人が嫌いな人間は「良い韓国人」なんて書きませんから、すぐに自演とバレました。
ちなみにサザンは民主党有田芳生(しばき隊関係者)とも繋がっています。(有田のツイッターにて確認済み)

うへえ、この人しばき隊と在特会を同一の団体だと思い込んでいるよ。
しかも自作自演の根拠が『韓国人が嫌いな人間は「良い韓国人」なんて書きませんから、すぐに自演とバレました』だって。馬鹿じゃねーの?
因みにこの「あいうえお」氏の「ピースとハイライト」以外のレビューも中々に香ばしいものが揃っているのでリンクだけ貼っておきましょう。

http://www.amazon.co.jp/gp/pdp/profile/A2MBK32DQ3QC4I/ref=cm_aya_pdp_profile


さて、誰でもレビューが書けるアマゾンとは異なり、原則として購入者のみがレビュー出来る楽天ではどうだろうか。

http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_16502662/1.1/


概ね高評価で8月12日現在、星1つ乃至2つをつけているのは僅か3件。

うち1件のレビュー

とりあえず買います。買いますけど…
画像あり
Mステでフルバージョンを聴きました。ファン離れを危惧してか、活動休止前とほとんど同じような曲調に思えました。また、歌詞が完全に隣国とのイザコザを指しているので、何で復帰作一発目にこんな内容のものを放り込んでくるのか、謎です。こーいうのは(桑田さん、好きなんでしょうけど)アルバム曲でやればいいのに…。この曲、カラオケでリクエストするには、メンバーに隣国嫌いな人がいないかと気にしつつしなくちゃいけない…。
サザンファンを続けて24年。もう恋愛曲を作って出すことに飽きてきたのかもしれませんが、桑田さんのソロを含め、明らかに昔のサザンとは路線が変わってきてるので、ついていけなくなりつつあるのが正直な気持ちです。個人的に反戦フォーク的な時事ネタの歌詞はもういらないです。
自分は昔のサザンの、荒削りであっても耳と心に残る曲が好きなので、これからはそういう曲を出していってほしいな、と期待してCDを買い続けています。
あと、かさばる限定版特典はもうやめてほしい。ポンチョ…ライブ行く人しか使わないでしょう。シングルCDであの大きさの箱は、保管収納に困ります。
※曲を聴いての素直な感想なんですが、↑こーいうこと書くと狂信的ファンの方々から大バッシングなんだろうな、と思うので、プロフは非公開で書かせていただきました。


http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_16502662/1.1/ev2/

「この曲、カラオケでリクエストするには、メンバーに隣国嫌いな人がいないかと気にしつつしなくちゃいけない…」なんて下らない気をまわさずに歌いたけりゃ歌えばいいと思うのだけれど、今日の我が国に蔓延る「韓国に対する漠然とした否定的な感覚」を端的に表しているようで考えさせられる。
「↑こーいうこと書くと狂信的ファンの方々から大バッシングなんだろうな」という、自分と考え方の異なる相手を一方的に「狂信的」と決め付ける狭量さは感心できない。



最後に、mixiのレビューから低評価をつけた人のものを一件。








KAMAKURA】の中の【悲しみはメリーゴーラウンド】や【あなただけを】のカップリング曲、そして新曲の【ピースとハイライト】ですが、無理だって。
クラスに40人いて、どうしても仲良くなれない人は1人や2人はいたじゃん。
話さないで卒業していく人とかいたはずだし。

前に日記に書いたけど、あの国の人はこんな感じのことを考えているのだから。
国籍改正法を民主がしようとした時に書いた日記を引っ張ってきました。

コビト

ある町にサーカスの小屋が建てられた。
 仰々しく音楽も奏でられていない。
 入り口には「一寸法師の曲芸」と書かれていた。
 そっけない物で客もさほど入っていない。
 しかし、日が経つにつれ客が増えていった。

 その理由は中に入ると分かる。

 一寸法師は本当にいた。
 もっとも正確には一寸でも法師でもない。
 身長はほぼ20cm。
 だがお客は文句を言わない。
 姿形が変わらず20cmとは珍しいじゃないか。

 看板にはもう一つ偽りがあった。

 曲芸と言う程の芸はしないのであった。
 それでも客は文句を言わなかった。
 することといったら座長らしい人物が舞台の上で小人を虐める、 ただそれだけ。
 小人は虐められる度に、悲しげに泣く。
 声も表情もリアルであった。
 反抗できないのは誰が見ても分かった。
 見ている人は自分も虐めているような気持ちになる。
 日頃から虐められている物は、ここに来てその鬱憤を晴らし、毎 日ぬるま湯に使っているような人は、ここで強烈さを補えるとい う仕組みだ。


やっぱスリルあるよな。
ここは超気持ちいいな。
なんで俺ばっかり虐められるんだ。あームカツク!それ、もっとやれ!


 しかし、評判が広まりすぎると必ずと言っていいほどこんなこと が起きるのだ。

なんということでしょう!
このような非人道的なことは許すわけには行きません!
いくら暇だからといって、こんなことをしては行けません。
そういうことです。
早くこの行為をやめて下さい。
君もこんなことやらされて嫌だろう?


どこでサーカスをしてもあなた方のような人が必ず来ます。
しかし、こいつは私が山で捕まえたのです。
私の物をどうしようと勝手でしょう?
しかも、こいつは人じゃない。こんな小さな人はいませんよ。


しかし・・・・。


僕のことなら大丈夫です。構わないでください。 それに僕はこの仕事を辞めたら生きていくお金が稼げなくなってしまいます。


そんなに大変だったなんて・・・。
君も嫌じゃないんだね・・・。
何て可哀想な子なんでしょうか。
私はあの時あの子を奪ってやりたいと思いましたよ。
しかし我々は紳士です。どうにかして事を荒立てずにあの行為を止めさせられないでしょうか。
その小人は人間として扱われるべきである。後日、その事で裁判を行う。


   裁判所
あの小人を人間として扱うべきである。
あの小人は人間なんかではない。
外見を気にするのなら、チョコレート人間を食べる子供も犯罪か?
喋るのを気にするのなら、オウムも七面鳥も、ロボットも人間として認めるのか?

 このことはすぐに新聞沙汰になった。
 当然のことだが誰もが小人を応援する。
 そうすることによって、誰もがリンカーン清水の次郎長、慈悲深い王妃様になった気持ちになれる。
 一種の高度な娯楽にもなっている。


やぁ、君は座長と小人どっち応援する?

そりゃあ、小人に決まってんだろ。


   最後の裁判

最高裁判所

 小人といえども同じ人間である。
今後何人といえども虐待は許さない。
虐待をすれば容赦なく処罰する。


そっ、そんなっ!
本当ですか!?
選挙権とかもあるんですか!?


勿論だ。人権などは我々と全く変わらないよ。


どうですか?今の感想は

どうもこうもない。もう最悪だ・・・。
私はこんな事はやりたくなかった。
私は操られていたのだ。もうお終いだ・・・。


誰ですか?その操っていた人って。
あの小人だよ・・・・。

それは負け惜しみですか?


我々の勝利だ!!!
ははははっ!あっははははは!
まったくこの国はお人好しばかりだ!
地下の我々コビト族はこの時を待っていた!
今までだったら武器もなく、簡単に弾き返されたが、今では法律も我々の味方だ!皆出てこい!!
合図と共に、1万、10万というコビトが山から溢れ出してきた。
 この数を止められる物はもういない。
 軍隊で防ごうにも法律がある。


こ の 国 が 、 血 を 流 さ ず 、

 合 法 的 に 乗 っ 取 ら れ る の は
   も う 時 間 の 問 題 で あ る


国籍法改正は民主では無く麻生政権時に可決された法案だとか、「合 法 的 に 乗 っ 取 ら れ る の は も う 時 間 の 問 題 で あ る」と言いつつ、早5年が経とうとしているのだけれども乗っ取りのノの字も見当たらないのはどうした事かとか、「こんな感じのことを考えている」のは「あの国の人」ではなく「この日記を書いた人」だけじゃないのかなど突込み要素が多すぎて追いつかない。


今後もネット右翼嫌韓主義者の「ピースとハイライト」に対する嫌がらせ
は続くのだろうけれど、多分同じような内容ばかりだし、酷いのになると脳内で構築された独自の世界観に基いた、取るに足らない陰謀論を逐一取り上げる気にはならないなあ。一風変わった批判があれば読んで見たいけれど。

しかし6・4%は少ないなあ

http://mainichi.jp/select/news/20130621k0000m040074000c.html

「激化するヘイトスピーチをどう止めるか」をテーマにした院内集会が20日、東京・永田町の参議院議員会館であり、主催した「人種差別撤廃NGOネットワーク」が全国会議員に実施した緊急アンケートの結果を発表した。回答したほぼ全員が国による対策が必要としたが、回答率は全議員の1割未満で、ヘイトスピーチ(憎悪発言)への関心の低さが浮き彫りになった。

 アンケートは5月24日〜6月18日に衆参両院の全議員(717人)に実施。三つの設問に46人(6.4%)がファクスで回答した。「国が何らかの対策を立てるべきか」には43人が必要と回答。その回答者に「国が実態調査をすべきと考えるか」と聞いたところ41人が支持。「国会で差別に対する法規制を議論すべきか」には全員が必要と答えた。

 自由記述では「表現、言論、思想信条それぞれの自由との兼ね合いを研究すべきだ」(自民・衆院議員)などの意見が寄せられたという。

 アンケートの責任者の師岡(もろおか)康子・大阪経済法科大客員研究員は、回答の少なさについて「無関心だけでなく、(ヘイト側からの)バッシングを恐れたのではないか。議員としての責任を果たしていない」と指摘した。【小泉大士】


ヘイトスピーチ有権者の理解や支持を得られやすい問題ではなく、文中の指摘にもあるように下手に首を突っ込もうものならネット右翼レイシストの誹謗中傷を覚悟しなければならない。労多くして益の少ない問題だ。
ヘイトに真摯に取り組む希少な政治家に敬意を表しつつ、我が国の人権問題に関する後進性を憂え、嘆く。

高田誠(通名・桜井誠)在特会会長逮捕の雑感

テレビで件のニュースを観たのだが、在特側の参加者が通名制度や通名報道に反対する旨の垂れ幕やプラカードを持参していた。
そのトップを務める人物が公私で「桜井誠」なる通名を用い、本名をひた隠しにしながらマスコミを通じてその本名を大々的に報道されるとは何とも言えない妙味がある。


http://mainichi.jp/select/news/20130617k0000m040062000c.html

東京都新宿区のJR新大久保駅周辺で16日に行われた在日コリアンの排除を掲げるデモで、警視庁新宿署は同日、「在日特権を許さない市民の会在特会)」会長、高田(通称・桜井)誠容疑者(41)ら4人と、対立グループの自称会社経営、清(せい)義明容疑者(46)ら4人の男女計8人を暴行容疑で現行犯逮捕した。在特会などによる一連のデモでの主張は、差別的な表現で憎悪をあおる「ヘイトスピーチ(憎悪発言)」と呼ばれ社会問題化しており、反発するグループとの対立も深刻化している。

 同署によると、高田容疑者の逮捕容疑は16日午後2時ごろ、同区新宿3丁目の路上で、清容疑者の胸ぐらをつかみ、つばを吐き付けた▽清容疑者の逮捕容疑は同じころ、高田容疑者の眼鏡を払いのけた−−としている。デモの集合場所である区立大久保公園に向かう高田容疑者を清容疑者らが新宿駅近くで見つけたのを機に、トラブルになった。高田容疑者は「つばをかけるつもりはなかった」、清容疑者は「つばをかけられなければやらなかった」と供述しているという。

 同署によると、他の6人も相手グループの参加者をビニール傘で頭を殴ったり、顔面を殴ったりしたといい、うち1人は容疑を認めているが、5人は否認か黙秘している。

 公安当局などによると、在特会は2006年ごろ設立され、ホームページで会員数1万3000人超とうたっている。16日のデモは在特会と異なる団体が主催していたが、同会のメンバーら約200人が参加。これに抗議する参加者約350人がにらみ合う形となり、あちこちで小競り合いとなった。顔から血を流したり、路上でうずくまったりする人の姿も見られた。近くで飲食店を営む韓国籍の50代女性は「騒ぎはどんどん過激化しており、怖かった。逮捕者も出て、今後は沈静化することを願っている」と話した。

 在日コリアンの排除を掲げるデモは昨年から定期的に行われてきたが、今年2月ごろからは、デモへの抗議活動も広がっていた。ヘイトスピーチを巡っては安倍晋三首相も5月に参院予算委員会で「一部の国、民族を排除しようという言動があることは極めて残念だ」と発言していた。【岸達也、小泉大士】

http://www.asahi.com/national/update/0617/TKY201306160224.html

反韓デモの参加者と、それに反対するグループが互いに暴行をふるったとして、警視庁は16日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長の自営業桜井誠(本名・高田誠)容疑者(41)ら同会の関係者4人と、対立する「レイシストをしばき隊」のメンバー4人の計8人を暴行の疑いで現行犯逮捕し、発表した。

 新宿署によると、16日午後2時ごろ、桜井容疑者らがデモのため東京都新宿区の新宿駅東口に着くと、待ち構えていたしばき隊が取り囲み、もみあいになった。桜井容疑者が、しばき隊の清義明容疑者(46)につばを吐き、清容疑者も桜井容疑者の眼鏡を手で払いのけた疑いがある。その後も同区でのデモが終わった午後4時45分ごろまでに、6人が互いに顔を殴るなどの暴行を加えたという。

 桜井容疑者は「つばをかけるつもりはなかった」と供述。他の7人も「やっていない」「正当防衛だ」などと否認、または黙秘しているという。

 在特会は「韓国人は帰れ」などのヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返すデモで知られ、この日は約200人が参加。一方のしばき隊も、在特会に対抗するため約350人が集まっていた。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130617-OYT1T00107.htm

東京都新宿区で16日、在日韓国・朝鮮人を非難するデモが行われ、参加者とデモに抗議する人との間でトラブルとなり、計8人が暴行容疑で警視庁に現行犯逮捕された。



 先月20日にも同様のデモで逮捕者が出ていた。

 同庁の発表によると、逮捕されたのは参加者4人と抗議していた4人。それぞれ開始前や実施中に、路上などで胸ぐらをつかんだり、蹴ったりした疑い。周辺を警戒する警察官に取り押さえられた。デモには約200人が参加する一方、周辺には抗議する約350人が集まって騒然とした。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130617/crm13061700470000-n2.htm

東京・新宿で行われた在日コリアン排斥を掲げるデモの参加グループと対立グループの間で乱闘騒ぎがあり、警視庁新宿署は16日、いずれも暴行容疑で、双方のグループの男女計8人を逮捕した。

 逮捕されたのは、市民団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長の桜井誠(本名・高田誠)容疑者(41)=江戸川区平井=ら4人と、対立グループ側の写真家、久保憲司容疑者(48)=世田谷区宮坂=ら4人。

 8人の逮捕容疑は、互いのグループの参加者を殴ったり、相手につばを吐きかけたりしたとしている。

 同署によると、桜井容疑者は「つばをかけようとしてかけた訳ではない」と容疑を否認、久保容疑者も「暴行の事実はない」と否認している。

 デモは16日午後3時に新宿区内の公園を出発し、約3キロの区間を1時間にわたって行う予定だった。しかし、出発前から乱闘騒ぎが起き、デモ中も断続的に発生したという。

新宿や新大久保周辺では月に数回、在特会などがデモを繰り返し実施。対立グループとの罵声の応酬などが深刻化していた。

 この日は在特会側は約200人が参加し、反対グループは約350人が集まった。5月にもデモをめぐって逮捕者が1人出ており、警視庁は約450人態勢で警戒を強めていた。


意外と言えば意外な話ではあるが、過去に多数の逮捕者を輩出してきた「襲撃するホシュ」在特会やその眷属の中にあって高田会長はこれまでにただの一度も逮捕をされた事が無い。勿論、高田会長が品性と節度を以て活動を行ってきたからなどでは断じてなく、女性に対して、高齢者に対して、年端もゆかない子供に対して、或いは少数の相手に多数で聞くに堪えない罵言を浴びせ、暴行を加えてはきたのだが、左翼に厳しく右翼に甘い公安警察は不思議と高田会長の蛮行を看過してきた。
高田誠という人は他者を巧みに煽り、多くの人間を反社会行為に駆り立てながら、自身はこれまでギリギリのラインで警察との「間合い」を保ち「ここまでならやっても大丈夫」というラインの内側で過激な言動を繰り返してきた。
悪く言えば自分以外の人間に危ない橋を渡らせて目的を達成しようとする卑劣で姑息な男、良く言えば安全圏では無類の強さを発揮する男・・・・・それの何処が「良く言えば」なんだと言われるかもしれないが、高田会長の美点を探しても之くらいしか見つからなかったので仕方がない。


マスコミ報道だけではいまいち詳細が掴めないので何とも言えないのだが、今回はそのギリギリのラインを踏み越えてしまったのだろうか。それとも、差別主義者やネット右翼らの中傷に屈する事無く、心有る国会議員や国民のレイシズムに対する毅然とした否が世論を動かし、ひいては首相や法相からヘイトスピーチを許してはならないという言質を引き出し、それがデモを取り締まる側へ影響を及ぼした結果が今回の逮捕に繋がったのかは分からない。
後者だとすればレイシズムやヘイトに反対し続けた全ての方々への賛辞を惜しまぬ一方で、所詮はお上の胸先三寸でデモなんざどうとでも取り締まれるんだな、という現実に暗澹たる思いを抱かざるを得ない。




さて、高田誠(通名桜井誠)と逮捕で私が連想するのは、「現代撫子倶楽部」なる在特会と連携してヘイトスピーチを撒き散らしていた中谷良子なる人物の逮捕と、それを受けた高田誠(通名桜井誠)会長のあまりにも醜いトカゲの尻尾切りだ。




【在特会】逮捕された中谷良子容疑者(現代撫子倶楽部代表)との関係否定に躍起な在特会関係者 - Togetter


簡単に説明すると、中谷良子現代撫子倶楽部代表が保険証詐欺で逮捕され、その事件を報じたマスコミが在特会との関連性に言及し、それを目にした高田会長が志を同じくする「同志」である筈の中谷代表を庇うどころか「自分達とは無関係だと主張し、逆切れしてマスコミに食って掛かったというどうにも救いようのない出来事。
上記リンクに事件の詳細と経緯がまとめられているが、実際は「無関係」どころかフジテレビデモをはじめとする多くの活動で在特会と撫子倶楽部は連携してヘイトスピーチに勤しんでいたし、在特会の公式サイトにも「共催 現代撫子倶楽部」なんて記述がある。要するに、高田会長は同志のバックアップをするどころか誰よりも早く「仲間」を切り捨て、自己保身を最優先にしたわけだ。左翼の過激派だって仲間が逮捕されれば金銭面その他で多少の援助くらいはするだろうが、高田会長はそれすらしなかった。一分の隙も無い人間の屑っているんだなあと心底思ったね。


今度は自分が逮捕される番となった高田誠(通名桜井誠)だが、果たして在特会会員やそのシンパたるネット右翼は彼を助けるのだろうか。
ネット右翼などは早々に馬鹿の一つ覚えである「在日認定」でもして高田誠(通名桜井誠)を切り捨てるだろうが、会員のほうはどうだろう。寄付金は昔ほど集まっていないという話を聞くし、そもそも我が身を削ってまでこの人の為に・・・と思わせるほどのカリスマ性が会長にあるのだろうか。

事件そのものにはあきれ果てているが、会長の為に身を惜しまぬ会員がどれほど存在しているのかにはちょっと興味がある。今現在の高田誠(通名桜井誠)の在特会に於ける人望や立場を知る上で関心がある。
続報を待ちたい。

「在特会デモで「死ね」などの暴言!ネットでは80.7%はやり過ぎとは思っていないことが判明!」アンケートとその顛末

http://news.livedoor.com/article/detail/7679642/



近年問題視されている「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などのヘイトスピーチ・ヘイトデモに関するウェブアンケート。
その賛否を問うアンケートで80%超もの人が「やり過ぎではない」という結果が出たそうで、ヘイトクライムやヘイトプロパガンダに日頃から憤りを感じている私からすれば何とも不快な調査結果ではあるが、「まあ、ヤフコメなんかも今じゃネット右翼の巣窟みたいなもんだし、ヘイトデモに親和的な層が回答者に多かったのかな」程度に受け止めた。

が、調査結果も酷いがそれを紹介するライターの記事はそれに輪をかけて酷い内容だった。





在特会デモで「死ね」などの暴言!ネットでは80.7%はやり過ぎとは思っていないことが判明!

東京・新大久保では在日特権を許さない市民の会、通称在特会による、在日排他を標榜するデモが、毎週のように行われている。

新大久保は、今や韓国文化が色濃く反映された町。当然在日韓国人や韓国文化に造詣の深い日本人も大勢訪れる町である。


言わば敵地ともいうべき新大久保で、このところ在特会の抗議デモは繰り返し行われてきた。

マスコミも当初は報道しなかったものの、話題は広まる一方。ここにきて大々的に在特会を批難するために報道を始めている。


背景にある原因は、一つや二つどころの話ではない。

生粋の日本人とは違い、在日朝鮮人たちはその出自だけで莫大な恩恵を手にしてきた。また、最近では対馬の仏像問題も国民の反感を買ったところである。

何故、ここまで在特会が過激な行動をするようになったのか。残念ながらその理由をマスコミは報じない。勿論彼ら在特会のやり方は野蛮で、とても日本人の行いとは思えないもの。


案の定、この日は、そんなデモを他所に、韓国人団体が「なかよくしようぜ」と印刷された風船を、道行く人々に配布してみせた。いいように利用されたといえるだろう。

それだけではない。在特会ヘイトスピーチは、一々攻撃的で、せっかくの主張も言葉尻の厄介さだけを取り沙汰される。こうして、事情を知らない世界中の人々からは、まさにヘイト(憎悪)の対象になっている。


livedoorネットリサーチでは「新大久保でエスカレートするデモはやり過ぎ?」と題してアンケートを実施。440件の回答が寄せられた。

このうち、「やり過ぎだと思わない」と回答したのは、全体の80.7%となっている。早速、回答した方々のコメントをご覧いただきたい。
・日本人が我慢強いのをいいことに戦後60年日本人にゆすりたかりの勝手放題!あげく何百人と家族と引きはがしての拉致!国内での凶悪事件は数知れず、朝日と組んで慰安婦なる者をでっち上げ、祖先を侮辱し世界中に喧伝、その上あろう事か陛下まで侮辱するようでは堪忍袋の緒もきれる。それでも日本に居座り朝鮮学校の授業費までだせだと!!束にして日本海にたたき込まれても文句は言えまい。仏罰を知れ!


・在特デモは参加者の拡声器持込を禁止してなさそうなので動画見ても判断判断できませんでしたが、「殺せ」と言ってるのは主催者じゃないのでは?


・「和夫一家殺害事件」「在日朝鮮人による凶悪犯罪の実態」「朝鮮進駐軍」「SMAP肛門CM」「李初枝」等々を知れば、在特会の気持ちや行動も理解できます。
在特会に参加したいとまでは思わないですけどね。


・死ね・殺せの言葉はまずいが、デモ自体はいいんじゃないの! 新大久保の韓国人は、金儲けのために日本で商売しているニューカマーの人達です!
「民間人だから政治は関係ない」は通用しない。
事情を知れば知るほど憤ってしまうのが、在日朝鮮人・韓国人の所業である。

翻って考えるまでもなく、領土問題は竹島を実効支配し続け、今では「対馬は元々韓国領土」との主張を全世界に発信している。

それだけではなく、韓国公人による日本の象徴である天皇家への侮辱発言も記憶に新しい。

これだけでも、たった一例に過ぎないのだ。怒りを抑えきれない方々のコメントが目立つのも仕方のないことだろう。


ただ、こうした民族問題は何も特別珍しいものではない。多くの国で、似たようなトラブルは起きている。それでもこうなるまで放置し続けたことを、日本政府は恥ずべきだ。


さて、反対に「やり過ぎだと思う」と回答したのは、全体の19.3%となった。ご意見を以下に引用してご紹介したい。
・デモなんて一人じゃ何も出来ない『弱虫』がやる最低の行為です。


・「半島へ帰れ」と叫ぶべき。日本が嫌いな連中が祖国へ帰ってくれればそれでよい。


・「(日本が嫌いなら)祖国へ帰れ!」までは許されると思うけど、「殺せ」とか「死ね」は行きすぎ。


・ただ、やり過ぎると世間から見放されて、世の流れが反対側に傾く可能性もあるので、嫌韓派も注意すべきだと思う。反原発集会がインチキ動員数を発表することで、原発の危険性という主張の信憑性まで失ってしまったことは、他山の石として参考になるのではないか。


・やり過ぎだけれど、日本にはそうした意思表明をする自由があるんだよね。
街宣右翼はこれまでずっと「やりすぎ」のまま放置されてきた。そうした経緯を見落とすべきではない。
マスコミが在特会のデモを、一括りにヘイトスピーチと報じていることはご承知の通り。

何故こうなったのか。根底に何があったのかについては、どのテレビ局も、どの新聞社もまともに取り上げていない。

ただただ汚い言葉を「問題だ」と糾弾しているだけの場合もあり、そうさせた在特会には大いに反省すべき点がある。

事実、そうした口の悪さを指摘する声が上がっている。こちらのアンケートに寄せられたコメントだって同じである。


一度冷静になって、具体的な問題点を挙げてからデモに臨んでみて欲しいものだ。

回答者のコメントも正視に耐えないモノばかり。特に「朝鮮進駐軍」なんてあからさまなデマを鵜呑みにしている奴のコメントなんか掲載するなよと思うし、対馬の仏像盗難はまだ憤りに共感出来なくも無いが、その憤懣を無関係な新大久保の在日コリアンにぶつけるなどとは筋違いもいいところだ。

「やり過ぎ」と答えた回答者のコメントも感心できない。『「半島へ帰れ」と叫ぶべき。日本が嫌いな連中が祖国へ帰ってくれればそれでよい。』なんてヘイトデモ肯定派のそれと大した差は無い。

何よりも「伊藤洋装」なる人物の記事には絶句させられる。


>生粋の日本人とは違い、在日朝鮮人たちはその出自だけで莫大な恩恵を手にしてきた。

在日特権」なんてファンタジーを鵜呑みにしている時点でアウト。

>せっかくの主張も言葉尻の厄介さだけを取り沙汰される。こうして、事情を知らない世界中の人々からは、まさにヘイト(憎悪)の対象になっている。

「せっかくの主張」?在特会の主張の何処に拝聴に値する箇所があったというのか。仮に在特会にも一分の理があったとしても、それは韓国大使館などへ訴えるべきだろう。在特会が批判されているのは言葉尻や攻撃性だけではない。無関係な在日コリアンに八つ当たりをする卑劣さも非難の対象と成っている。


在特会の先鋭的な態度は肯定できないものの、そうさせる韓国にも問題がある」とでも言いたげな論調で、要するに嫌韓ネット右翼がよく主張する「温厚な日本人をここまで激怒させる韓国が悪い!」論をもう少し洗練させて言葉を飾っただけの記事に過ぎない。
その理屈で言えば過激な反日デモは日本にも責任があるという事になるし、何というかドメスティック・バイオレンスの加害者が「お前が俺をムカつかせるから悪いんだろうが!」という逆切れと本質は変わらない。


こんな記事が堂々と掲載されるなんてマイナビも質が悪くなったもんだ・・・と嘆いていたらこんなお詫び記事が。




お詫びと訂正


2013年5月17日
いつもご愛読ありがとうございます。

5月16日に掲載されました「在特会デモで「死ね」などの暴言!ネットでは80.7%はやり過ぎとは思っていないことが判明!」は、「Net Research News」( http://www.netresearchnews.com/ )より提供された記事を転載したものであり、当サイトの主張、公式見解を含むものではございません。

記事について編集部であらためて検討した結果、当サイトにふさわしい内容ではないと判断し、当該記事は削除させていただきました。また、そのような記事を管理体制の不備からそのままサイト上に掲載してしまったことを深く反省し、お詫び申し上げます。

今回の一件を踏まえて、提供元サイトとは取引を停止し、過去に提供された記事もすべて削除する措置を取らせていただきます。また、編集部内における記事チェック体制を見直すことによって再発防止に努める所存でございます。

引き続きマイナビニュースをよろしくお願いいたします。


当該記事の削除のみならず、提携元サイトとの取引停止及び過去記事の全削除とは随分と事態を重く受け止めたものだ。相当な数の抗議でもあったのかな。

『ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論』のレッテル貼り  

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

おそらくは日本の出版史上、初めてネット右翼を肯定的に論じた書であろう。
帯の『史上最悪のレッテル「ネット右翼」はなせ生まれたか?」の文句が矢鱈と目を惹くが、この文句に違わず本書の大部分を占めるのは「ネット右翼」なるレッテル貼りへの反論である。

成程、古谷経衡氏のような保守を僭称自称しながらネトウヨ呼ばわりされる人物からしたら「史上最悪のレッテル」なのだろう。であれば、古谷氏自身も他人様への安直なレッテル貼りは慎むべきだと思う。

ところが、目次からして『サヨクが「在特会」を狙う本当の理由』・『瀕死の左翼が生んだ「ネトウヨ」幻想』と、本書には「サヨク」「左翼」という単語が頻出する。本書を読んでも「サヨク」や「左翼」を著者の古谷氏がどのように定義付けているか、どのような基準に照らし合わせて用いているのかの説明は無く、箇所によって「左翼」であったり「サヨク」であったり、希に「リベラル」であったりと呼称に統一性が無い。「ネット右翼」を「史上最悪のレッテル」と言いながら、己の好ましからざる対象を安易に「サヨク」「左翼」呼ばわりする古谷氏の姿勢はダブルスタンダードの謗りを免れ得まい。




古谷氏の処女作「フジテレビデモに行ってみた!」ではあからさまに冬ソナファンを見下すような記述があった。

余談だが、この項では「冬ソナ」を観るような人は「教養の無い中年女性や高齢者が刹那的に楽しむもの」だの、ぺ・ヨンジュン氏を「ぼけーっとした単なる眼鏡の男」を言い表すなど、本論とは無関係な人格攻撃や品性に欠ける中傷が目に付く。この項に限らず、本書にはこういった品格を疑う表現があちこちに散見されるが、これが「国想う」古谷の芸風なのだろう。


http://d.hatena.ne.jp/akutsu-koumi/20120128/1327762358

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。韓流憎けりゃファンまで憎い。


二作目の「テレビ・韓流・ステマした」では見下しの度合いは増し、韓流コンテンツそのものを侮蔑する記述がある。

(中略)先進国型の文化コンテンツに常日頃から晒されてきた我々にとって、「韓流」でくくられるコンテンツとは、一部の映画作品を除き、正視に耐えうるクオリティを全く有していない。そこにあるのは陳腐な脚本と稚拙な映像技術、そして聞き飽きたリズムとへたくそな日本語の歌詞、そして同性が同情的に判定したとしても不細工としか言いようのないしもぶくれの自称「イケメ」であり、我々先進国型の「目の肥えた」ユーザーからは本来見向きもされない粗悪な輸入品としか思えないのである。

冬ソナの視聴者というだけで「教養の無い」と決め付け、「一部の映画作品を除き」と前置きしてはあるものの作品を個別に論ずるでもなく(韓流・テレビ・ステマしたを読む限り、古谷氏がきちんと視聴した上で駄作と評しているのはアニメ版「チャングムの誓い」のみ)「韓流コンテンツ」の一括りで「陳腐」「稚拙」「へたくそ」と断定する。これもまた韓流ファンや韓流コンテンツに対する、見下しが入り混じったレッテル貼りだ。




古谷氏は最近、このようなツイートをしている。



古谷経衡(アニオタ保守本流)‏@aniotahosyu5月15日
僕はね、レイシズムというのは本質的に「死ね」とかだのではないと思う。直接的な表現ではない、言葉の節々からにじみ出る見下しのニュアンスこそが、本当に相手に失礼なレイシズム表現だと思う。「死ね」と言われたら「お前がな」と反論できるが、オブラートに包んだ見下しには沈黙しかできないからな

https://twitter.com/aniotahosyu


古谷氏は「ネット右翼の逆襲」で「嫌韓」と「レイシズム」の違いを殊更強調している。自分はあくまでも「嫌韓主義者」ではあっても「差別主義者」ではないと主張したいのだろう。
それは間違っていないし、嫌韓というだけで「ネット右翼」や「レイシスト」と決め付けるのも褒められた行為ではないが、古谷氏の「嫌韓」には多分に見下しの意味合いが含まれ、彼自身のツイートに拠れば彼の「嫌韓」は「レイシズム」と不可分の関係にある。
ネット右翼を「史上最悪のレッテル」とするならば、(ネット右翼を肯定する立場から書かれた以上期待しても詮無い事ではあるが)同時にネット右翼が好んで用いる「反日認定」「在日認定」にも論評があっても良かった。特に「在日認定」は個人のアイデンティティに直結する人種・国籍・民族への侮蔑という意味では「ネトウヨ認定」より遥かに悪質極まりないレッテル貼りであり、他者に対する非礼の極みであり、古谷氏の価値観に基けばレイシズムの最たるものであろう。




第一章「政治家と『ネット右翼』」では、ネット右翼を揶揄した有名?なイラストとその波及による「ネット右翼=低学歴・低収入・アニメオタク・不細工」のレッテリングが人々の間に膾炙した例を挙げ、石原慎太郎東京都知事の悪名高い「非実在青少年規制」や所謂「ローゼン麻生」伝説、及び安倍晋三首相を絡めながらインターネットユーザー・秋葉原・保守政治家が関わりあう「イメージ」が形成されてゆく様子を丹念に記している。この辺りの記述はアキバやアニメに疎い私にも理解しやすく、個人的には「ネット右翼の逆襲」の中では最も優れたパートだと思っている。第二章「電車男の罪」も同様。




ただ、「ローゼン麻生」伝説論評にサブカルチャー批評ブログ「法華狼の日記」から重要部分を丸写しするのはどうかなあとも思ったけれど。アニメ評論家を自称する古谷氏の得意分野なのだから、そこは人様の手を借りるなよと。



ローゼン麻生 の検索結果 - 法華狼の日記








http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20101213/1292273964

古谷経衡『ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論』のレッテル貼り

かのフジテレビ国旗引き摺り下ろし事件で書類送検された古谷経衡氏が、近々ネット右翼を肯定的なスタンスから論じる本を出すらしい。

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

『ネットと愛国』(安田浩一著)で1低学歴・低収入2オタク3ひきこもり4童貞に加え、5過激な排外主義者というイメージが定着した「ネット右翼」。
本当にそんな最低最悪なマンガみたいなヤツがいるのか? 「ネトウヨ」(サヨクから見れば)約千人にアンケート調査・取材をした著者がその実態に迫り、過剰なレッテル社会が歪める「ネトウヨ」問題のもうひとつの闇(日本人差別、反日メディア)を逆照射する。

■もくじより
はじめに――史上最悪のレッテル「ネット右翼」はなぜ生まれたか?

第一章 政治家と「ネット右翼
◎「ネット右翼」像の完成
◎リベラルな欲望の街、秋葉原
2ちゃんねらーの救世主
秋葉原麻生太郎
◎安倍政権誕生とネット右翼

第二章 『電車男』の罪
2ちゃんねらー・秋葉系の暗黒時代
◎インターネットは逃避空間なのか
格差社会の最底辺 ドラマ版『電車男
2ちゃんねる=低学歴論
ネトウヨは年収二〇〇万円以下と断じた漫画家
◎「はやぶさ」帰還騒動と自滅するメディア

第三章 「ネット右翼」の実相
大阪大学の先行調査への疑問
ネトウヨ千人に聞く、初の大規模調査
◎平均年齢はアラフォー
◎自営業者が多い
◎低学歴のウソ
◎下層のウソ
◎本当に童貞? ◎あなたは「ネトウヨ」ですか?
◎メディアからのバッシングについて
◎情報源はネットだけ?

第四章 「在特会問題」と保守
◎「ネット右翼」は保守なのか
サヨクが「在特会」を狙う本当の理由
◎日本人が避けられない「在特会」の毒

第五章 「嫌韓」思想と新保守論
反日ナショナリズム対「嫌韓
◎「嫌韓」はレイシズムではない
◎悲惨! 変質の国、韓国
ネット右翼の逆襲

付 録 超「ネトウヨ(笑)」対談 VS三橋貴明
◎瀕死の左翼が生んだ「ネトウヨ」幻想
◎政治問題化する「ネトウヨ
◎『ネットと愛国』が書かない真実
小林よしのりに不都合な「ネトウヨ
在特会はリアルウヨ

あとがき――ピューリタンネット右翼
出版社からのコメント
ネトウヨ=ネット右翼」を批判する本は出ておりますが、全面的に肯定しているのは本書が最初です。
まず、ネトウヨのイメージは肥大化した虚像と社会問題としての実像があり、その組み合わせによって、かつてないほどの強烈なレッテルができあがりました。
本書の前半部ではその虚像を1枚1枚はぎ取り(1、2章)、アンケート調査をもとに取材することにより、実態に迫り(3章)、韓国の対日感情への激変とかたくなに日韓友好を演出しようとする国内メディアの偏向報道ネトウヨと呼ばれる人たちを生んだ背景を描きます(4、5章)。
いまや多くの日本人が抱くようになってしまった「嫌韓」を「差別」と一蹴しても問題解決にはならないことを指摘し、在特会を利用して保守全体を攻撃しようとするサヨクだけでなく、在特会を切り捨てようとする保守陣営に対しても、その点はきちんと批判しております。在特会問題の本質は日本人全体に広がった「嫌韓」とリンクしており、極めて歴史的な問題でもあります。ネトウヨとレッテルを貼り付けて解決できる問題ではなく、しかもこれからの問題であることが本書を読むとよく分かると思います。


ネット右翼」をレッテル貼りと糾弾しながら、ネトウヨ呼ばわりする人間を一括りに「サヨク」とレッテリングする壮絶な出オチ臭のする本書だが、出版社は「フジテレビデモに行ってみた」や「竹島に行ってみた」の青林堂ではなく総和社。競馬本と自費出版をメインに手掛ける出版社のようだが、保守的な書籍も幾つか出している。青林堂に見限られたのか?

政治・社会出版社の総和社




イメージとしてのネット右翼と実像のネット右翼とのギャップ、「ネットと愛国」や在特会、古谷氏お得意(馬鹿の一つ覚えとも)の嫌韓・嫌マスコミ論を絡めてネット右翼を論じる内容のようだが、フジテレビデモや古谷氏が暴力行為法違反で書類送検されたフジの日の丸引きちぎり事件についてはだんまりを決め込む模様で些かガッカリ。まあ、書類送検が報道された当時からツイッターでフォロアーから事件について訊ねられても無視を決め込んだ人だから仕方がないのかもしれないが、「ネットと愛国」や「ネット右翼の矛盾」でもそれなりの分量を割いて記述があるフジデモを、デモに参加して日の丸を引きちぎって、それを処女作として世に売り出した人物が「ネット右翼の逆襲」では華麗にスルーするというのはあまりにも情けない。いかにも都合の悪い現実から目を逸らす(サヨク以外の人間から見ても)ネット右翼の古谷氏らしい。


ところで、『在特会を利用して保守全体を攻撃しようとするサヨクだけでなく、在特会を切り捨てようとする保守陣営に対しても、その点はきちんと批判しております』という下り。これってチャンネル桜の事か?